CEO Message社長メッセージ

金 均(Hitoshi Kon)
1977年、福岡県生まれ。東京大学工学部機械工学科を卒業し、大手コンサルタント会社に新卒入社。独立や転職を経験しながら、戦略的アライアンス、事業変革推進を担当。2019年4月、「人の笑顔を生み出す、新たなソリューションを生み出し続ける」ことをモットーに、株式会社NODEを創業。無政府的でありながら協調的な、世界のオープンノードを目指す。将来の夢は、エンターテイメント進出と、サウナ・温泉の経営。一児の父でもある。

新卒の皆様に、私がお伝えしたいこと

NODEの採用ホームページをご閲覧いただき、ありがとうございます。
まだ創業5年目のNODEにご関心を頂けたこと、心より嬉しく思います。
せっかくですので少し長くなりますが、外資コンサルファームに入社した私が、なぜNODEを創業したのか、そして採用に懸ける思いをお話をさせて頂ければと思います。

10年働いて、私が気づいたこと

「なぜ私は、毎日金儲けの話ばかりをしているんだろう……」

ある日、私は気づいてしまいました。

外資コンサルファームで働いて10年ほどがたった時でした。新卒で入社し、上司に見いだされ、初年度から最高ランクの評価をいただき、重要なクライアントを任され、毎日深夜まで土日もなく働いていました。有名な外資ファームで評価されていることに、当初はとても充実感を感じていました。

ただその結果、仕事の悩みをもつ友人に「バリューを出さないおまえが悪い」とか、就職で悩む後輩に「ビジネスを甘く見るな」とか、そういうことを話してしまう人物になっていました。いつの間にか友人よりもお金儲けを重視する人間になってしまっていたのです。

衝撃を受けた出会い

そのようなとき、現neumo社長、元beBit副社長の若林龍成さんと出会いました。

若林さんに、「もっと成長したいので新しい視野を持った方と話したい」と相談したところ、大手外資企業の経営者が多く集まるイベントに連れて行ってくれました。そのイベントは、スタートアップや社内ベンチャーに取り組む若者が、経営者に自らの事業をプレゼンをするという場でしたが、最初に聞いたプレゼンが衝撃的でした。

当時の私よりも若い20代半ばくらいの、スーツばかりの場に似つかわしくないカジュアルな洋服を着た女性が、「なぜ人は食肉のために牛を殺すのか」と話し始めました。

「牛は自然と死ぬ。自然と死んだ牛を食べれば、人は牛を殺さなくてよい。そして牛は草を食べる。だから草が豊富な山林に牛を放牧すれば、その草で牛は育つ。現在の自然科学で計算すれば、毎年の降水量、草の発生量が算出でき、何頭の牛であれば放牧しても草が枯渇せず、何頭の牛が自然に死に、食用にできるかを計算できる。
そこで私どもは山林にセンサーを埋め込み、降水量、草の生育状況、牛の生育状況をモニターし、本当に必要な頭数の牛を放牧し、食肉化する事業を始めた。今まではセンサーが高価だったからこのようなことはできなかったが、センサーが低価格化した今、科学的に対応できる状況は整ってきた。」

しかし、「最後の課題としてビジネス習慣の壁がある」と彼女は続けます。

「この事業が損益分岐点に達するには、約50年かかる。山を育て、牛を育て、死んだ牛を出荷し、お金にするには長い年月がかかるのです。しかし現在の株式市場は、5年で損益分岐点に達しない事業は認めてくれません。では誰が5年で損益分岐をしないといけないと決めたのか—それは人間です。人間が5年で採算を取らないといけないと身勝手に決めた結果、自然破壊をしています。こんなくだらないルールは今すぐ破棄すべきです。」

「自然とともに生き、人も牛も山も幸せな事業に投資する人はいませんか。」

私は衝撃を受けました。こんな発想はコンサルファームでは絶対生まれません。おそらく普通の大企業のビジネスパーソンからも生まれないでしょう。

その若い女性の周りは、外資企業経営者(皆が知っているような大手ばかりです)で人だかりができていました。一方、コンサルファームで最高ランクの評価をもらっていきがっている私の周りには、誰も集まってくれませんでした。

私たちは、なぜ働くのか

皆さまは、仕事に何を求めるのでしょうか。
お金でしょうか。自己成長でしょうか。自己実現でしょうかーーー。

「ライス・ワーク」と「ライフ・ワーク」という言葉があります。

「ライス・ワーク」というのは、ご飯のための仕事、生活のための仕事、本当はやりたくもないのだけれどお金のためにやる、という仕事です。いってみれば経済のための仕事です。

確かに生きていくのにお金は重要です。お金がないと生きていけませんし、社会に認められて報酬をもらうと、自分の成長や尊厳を実感できます。だから私もライス・ワークは大事だと思っています。

でもせっかく仕事をするのであれば、ライス・ワークであるとともに、ライフ・ワークと思える仕事をしたい!自分の人生が充実して、厳しいし苦しかったけど、楽しかったな、と思える仕事をしたい!と思いました。

そして自分がいつ仕事でハッピーになるかを深く考えてみたら、「仲間と本気で仕事をして、何か新しいものが生み出されて、お客さまが喜んでくれたとき」、私はハッピーになると気づきました。

だから私の仕事の報酬は、友情です。もちろんお金ももらいますが、それよりも一緒に仕事した仲間・クライアントに喜んでもらい、感謝と信頼をもらえたとき、私は最高の報酬を頂いたことになると思いました。そして、クライアントと生み出した事業が生活者の幸せにつながっていれば本当にハッピーです。そのような目線で世間を見渡してみると、実は多くの人が同じような思いで仕事をされていることに気づきました。

なぜ多くのコンサルファームがある中、NODEを創業したか

そこで最初は、同じような考えをもつコンサルファームへの転職を目指しましたが、なかなか見つかりません。

よく考えると当然です。

コンサルファームというのは、そもそもクライアント企業に「お金儲けの指南」をするのが仕事であり、「お金儲けに強い人、お金儲けに強くなりたい人」が集まり、実力主義で選抜されていく場だからです。もちろん中には、「お金も大事だけど、社会をハッピーにするのがもっと重要」と考えている人もいるのですが、そのような人は少数派になりがちです。どうしてもお金儲けへの思いが強い人の意見が強くなりがちな職場なのです。

だったら、お金儲けよりも友情を重視するファーム、社会のハッピーを重視するファームを自分で創ろう。仕事の中身はコンサルで、ビジネス能力は高いのだけれども、同時に思想やスピリッツは「仕事とは誰かの幸せを創ること」との想いを共有した仲間ばかりのファームができたら、それはとても情熱的で活力の溢れたファームになるのではないか、と思いました。

そして2019年4月にNODEを創業します。

そしてNODEにおける仕事とは「誰かの幸せを創るためのWork」であり、NODEという会社は「社員の皆がライフ・ワークと思える仕事に出会ったり、挑戦したりできる場」と決めました。

NODEが目指すこと

NODEのビジョンは、「人と人との意思をつなぎ、社会を変える」というものです。

我々が目指す社会は、「企業が、お金儲けだけでなく、社会をハッピーにすることを第一に経営する社会を創ること」、そして「新しい働き手が、“お金のため”だけでなく“人のため”に働くことをあたり前の選択肢として持てる時代を創る」というものです。

幸運にも、今ビジネス環境は、経済価値から顧客価値、社会価値の時代へと転換を始めています。また経営手法としても、デジタルトランスフォーメーションを起点に、顧客体験デザインやデータアナリティクス、生成AI、パーパス経営論などが生み出され、社会や顧客を幸せにするための変革が行いやすくなっています。

我々はこの時流を踏まえ、海外視察、有識者ネットワーク、Well-living LABコミュニティ等を駆使し、常に市場の最先端の知見とつながるとともに、クライアント企業の皆様と、社会にインパクトを及ぼす仕事をしています。

結局、幸せを創る主役は「人」

近年、AIに仕事を奪われるなどの議論が増えています。確かに生成AIやデータアナリティクスのパワーはすさまじく、NODEも本格的に取り入れました。

ただ同時に、私が確信していることがあります。それは「幸せを創る主役は、結局は人」ということです。私は、お客さまが喜んでくれた時、仲間と頑張りあえた時、喜びを感じます。本気で人と人が向き合ったとき、本当の幸せや友情が生まれるのだと経験してきました。

だからNODEは、生活者にも・クライアント企業にも・社内メンバーにも、本気で「人」に向き合う会社を目指しています。

  • 徹底的に、生活者の真実を捉える
  • 徹底的に、クライアントの思いをくみ取る
  • そしてお金儲けだけでなく、社会や生活者の幸せを創ることを力説するコンサルティングをする

新卒や経験者である前に、私たちは一人一人の人間同士です。そして新しい社会への挑戦者同士です。だからこそ、お互いをレスペクトしてぶつかり合いたい。そのような中で、若者への成長機会を創りだし、新たな社会をつくっていく情熱的な仲間を増やしていきたいと思っています。

採用に懸ける思い

上記のような思いに共感してくださる方は、ぜひNODEにお問い合わせください。

私たちは、新しい時代は若い人たちと切り拓くべきものだと思っています。そしてNODE自身も、まだ若い組織です。

新卒の場合、一般的な大手企業やコンサルファームに入ると、組織の末端・歯車になってしまう人も多いと思いますが、NODEでは最初から最前線です。

大変なことも多いと思います。私たちは、新たなことに取り組むのは大変なことだと毎日痛感しています。そこは覚悟を持ってきてください。でも本当に挑戦的で充実した日々になると思います。

そしてコンサルタント、デザイナー、ディレクター、元大企業経営者や現企業役員などの多様なメンバ、けれども「社会を幸せにする」思いを共有するメンバと、一緒に志をもつ楽しさと、挑戦する苦しさを語り合いながら、切磋琢磨していきましょう。

すべての⼈が「活きる」社会へ

誰かを幸せにできると信じて、自らの意志で動く。
その行動は熱量を発して、人びとに伝播して、やがて大きな力になっていく。

NODEは、ライフ・ワークの実践者やその卵が、組織や立場を越えてともに学び、共創をしていく実験場です。情熱や心折れそうになるつらさを分かち合える場でもあります。

すべての人が「活きる」社会へ、一歩ずつ粘り強く進んでいくために。
新しい時代を牽引する社会リーダーを生み育てることが、NODEの使命だと思っています。